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LIVING TECH協会
Speakers

株式会社リンクジャパン 土橋 照之さん

株式会社リンクジャパンの土橋と申します。本日は「QOL向上! スマート住宅の選び方、教えます」というテーマでお話をさせていただきます。

【株式会社リンクジャパンの紹介】

当社は株式会社リンクジャパンと申します。代表の河千泰(かちやす)がIoTをライフワークとしており「ITやIoTは分かりにくそうだけど興味はある」という方々に、できるだけ簡単にしてこの便利な仕組みを世の中に広めたいという考えの元に事業展開をしています。

2017年のIoT元年より3年早く事業展開をしており、アップルがITを誰もが使えるサービスにしたように、当社もIoTという便利なものを誰もがわかるサービスになるように普及させたいという考え方を大切にしています。

当社は、住宅のプラットフォーマーとして「HomeLink」というアプリケーションを提供しています。このアプリ一つでスマートホームの様々な設備やサービスが使えるようになっています。

【スマートホームが日本で普及していないのはなぜか?】

さて皆さん、日本でのスマートホーム普及率はどれくらいだと思われますか?
LIVING TECH協会さんとStatista Consumer insightsさんの調査では、アメリカや中国、ノルウェーの普及率に対して、日本ではおよそ13%となっており、5倍以上の差があるという結果が出ています。

BENRI LIFEさんというブログメディアの意識調査では、日本人の約1万人を対象に「スマートホームを使っていますか?」という質問に対して行ったアンケート結果でも認知や普及が進んでいないことが分かります。

「利用したことがある」…10.9%
「知らない」「利用したことがない」…89%

※内訳(「知らない」26.3%、「利用したことはないが知っている」62.7%)
※引用 https://www.benrilife.com/smarthome-report/

なぜこれほど普及していないのか?その理由は、まず設定が難しいことだと思われます。

IoT機器は、基本的にインターネットに繋がっています。自宅で使われる場合、Wi-Fiルーターを設定してアプリで利用するのですが、設定にはペアリングをしなければなりません。これが「ITだからやり方が難しそう」というような先入観が強いことが普及しない理由の一つのようです。

さらに、あらゆる企業さんが様々な機器を販売していて「どれを選んだらいいのかわからない」という問題も一因にあります。

【スマートホームの操作アプリ一元化を実現】

さて、皆さんがスマートホームと聞いて思い浮かべるのは、IoTの機器を設置して、アプリでお風呂を溜める、エアコンを操作するといったような、外からスマホで家電を操作するイメージではないでしょうか。

ネット通販や家電量販店などで購入できるコンシューマー向け、いわゆる一般消費者向けのスマートホーム製品は、テレビやエアコンなどの家電の制御ができる製品です。でも、マンションに付随するような宅配ボックスや機械式駐車場などの住宅設備機器は制御ができないのです。もし、色々な機器を制御しようと思ったら、利用者がそれぞれの製品のアプリをスマートフォンにインストールして使う必要があります。

つまりコンシューマー向け製品でスマートホーム対応の製品を設置しようと思ったら、製品の数だけスマホにアプリを入れなくてはならないんです。これを一つにまとめて使えるようにしたのが当社の「HomeLink」というアプリです。

こちらを利用すると、従来のコンシューマー向けで使える家電以外に、インターホンや給湯器、宅食サービスの利用やヘルスケアサービス、介護や家事代行のようなソフトサービスなど、様々なサービスのスマートホーム対応が可能になります。当社では、IoT関連のサービスを扱っている企業さんと連携することで、一つのアプリで使えるようにしました。

HomeLinkは、様々な企業の製品と連携しています(下図参照)。また、連携だけでなく、当社リンクジャパン側で国内の大手メーカーさんのIoT機器の製作も行っています。例えば、連携先であるアイリスオーヤマさんのIoT冷蔵庫は、外出先から冷蔵庫の中身が全部見られるという冷蔵庫です。こういったものを含めてアイリスオーヤマさんのIoT製品はすべて当社が制作に携わっています。ALSOKさんの製品や三和シヤッターさん、布団の西川さんにも技術提供をしています。

 

【アップデートができる】

一つのアプリで様々なスマートホーム機器を動かせるということ以外に「アップデート」ができるという点もポイントです。

中国を筆頭に世界でEV車が販売されていますが、最新のEV車は、車にソフトウェアが搭載されていて、購入時には自動運転機能が付いていなくても2、3年後にソフトウェアをアップデートすることでその車に自動運転機能を付加できます。このアップデートできるという点は、ITやIoTの強みになっています。

同じように住宅でもソフトウェアを組み込むことで購入時にできなかったことが後からでもできるようになります。できることが時間の経過とともに増えていく。これも一つの特徴です。

【ケーブルレスで快適に使える】

現在、国内で販売されているスマートリモコンはケーブルから給電するため、コンセントに差して使うことになります。そうすると、たいていテレビボードの上や部屋の隅の方に置くなど設置場所が限られてきます。赤外線は障害物に弱いので、低い場所や奥まったスペースに設置するとテーブルや椅子等に阻まれて機器が制御できないケースが出てきます。当社の製品は国内唯一ケーブルレスの製品であり、そういった問題はほとんど発生しません。

【スマートホーム住宅に住まう生活とは】

コンシューマー向けスマートホーム機器と当社のスマートホーム機器の違いをお話してきましたが、ここからは、当社スマートホーム機器を最初から設置している「スマートホーム住宅」についてご説明します。

もし、皆さんが戸建てや賃貸で「スマートホーム住宅」に入居したら、家に一つQRコードが置いてあります。このQRコードをスキャンしていただくだけで家に設置されているスマートホームの各機器が制御できるようになります。先ほど説明したような、機器ごとにアプリを読み込んで、設定するというような煩わしい手間がなく住んだその日からスマートホーム機器が使えます。具体的にどのようなことができるようになり、生活の質が向上するのか具体的にご紹介します。

    • CO2センサーにより濃度の制御ができる。部屋のCO2濃度を測定。濃度が上がるとマンションの空気を強制的に換気するため、リモートワークや作業などに集中できたり、睡眠の質を上げるなど健康増進にも良い。

    • 起床時に快適な朝を迎えられる。例えば朝6時になるとカーテンが自動で開き朝日を採光し、照明も自動で点灯する。冬場なら起床前に自動で暖房をつけてくれる。

    • 家族が出かけた後は、ボタンのワンタップで全部屋の照明家電を消すことができる。

    • 外出時、家の安全を守ってくれる。家を出た後、スマートロックにより自動で施錠してくれる。

    • 買い物時の買い忘れなどを防げる。外出先から冷蔵庫の中身が確認できるので、買い忘れや買い過ぎの心配がない。

    • 帰宅時のドアの開け閉めも簡単。スマートフォン一つでオートロックを解錠したり、部屋の鍵を開けたり閉めたりできる。

    • 車の出庫がスムーズにできる。部屋にいながらスマホで機械式駐車場のアプリ制御を行えるため、制御盤に並ばずとも出かける時間に合わせて出庫可能。

このような、色々な機能が付いた物件が増えており、マンションならモデルルーム等で体感することも可能です。

スマートホーム住宅(導⼊事例)

 

未来のスマートホーム住宅】

さて、子育てが一段落して、50代・60代になった時に、シニアマンションへの入居や自宅のリフォームを検討する方がいらっしゃると思います。スマートホーム住宅ではヘルスケアの機器を自宅に追加で導入することができます。これにより、例えば湿度・温度の自動コントロールで熱中症対策が可能になります。SOSボタンやナースコールボタンをつけることで、緊急時に見守り機関に連絡がとび、駆けつけてくれるサービスを利用できます。宅食サービスなども追加すれば食事や買い物の負担も軽減され、今住んでいる自宅に有料老人ホームやサ高住と同等の設備を入れることが可能になります。つまり、新たに住み替えずに住み慣れた自宅をシニア向け住宅にカスタマイズして住むことができるようになるわけです。

そこにAIも組み込まれて、5年後、10年後には、こういった生活が一般的に普及してくると、皆さんの日常の行動パターンが記録されていきます。高齢者の方は認知症状が出始めると生活行動が急に乱れたり変化したりすると言われていますが、そのような変化をAIが察知して認知症の恐れを早期にお知らせしてくれるということも可能になります。

アップルがITを一般的なサービスにしたように、当社もIoT を日常生活で当たり前のものにして、未来の皆さんの住まいがスマートホーム住宅となれば、QOLの向上に大きく貢献できると思っております。

株式会社リンクジャパンさんの取材動画はこちら