展示会

講演会
「今知っておきたい、これからの住宅ローン」笹川友里さんと一緒に、自分に合った住宅ローンを選んでみませんか?

Presented by
住宅金融支援機構
Speakers

竹下さくらさん(ファイナンシャルプランナー なごみFP事務所代表 日本FP協会理事)
笹川友里さん(setten株式会社 代表取締役)

 

(笹川)今日は住宅ローンの組み方について竹下先生にお話しいただきます。

テーマは、固定金利と銀行金利の違いは何「今知っておきたいこれからの住宅ローン」ということで、ローンについてのお話ですね。

(竹下)はい。ローンのお話です。

(笹川)私自身、ずっと賃貸族というか、都内で自分が借りたいと思ったマンションに住んでいますが、家を建てるということに憧れは抱いていますが、先生自身は2回マイホームを購入されたことがあるんですよね。

(竹下)はい。25歳でまだシングルの時にマンションをひとつ買いまして、その後結婚してから一戸建てを買いました。ただ親が転勤族でしたし、うちの夫も転勤族で合計16軒の家に住んでまいりました。
また仕事柄、住宅購入のお手伝いをする仕事なので、日々いろんな方のおうちにもお伺いして住宅ローンの相談に乗らせていただいている状況です。

(笹川)ご自身としても、マイホームのプロ、そしてお仕事でも、やっぱりそういった相談に常々のっていらっしゃるということなんですね。

住宅購入のキーワード】

(笹川)さて、今日のキーワードとして、昨今の経済情勢ですとか、住宅ローンの金利動向、固定金利と変動金利の違い、省エネ住宅、などなど山積みになっていますね。

(竹下)目白押しですね。

(笹川)マイホームを考えようしている私たちの生活において、円安ですとか膨らむ光熱費など、お金回りがこれからどうなっていくのかという不安が大きいですが。

(竹下)そうですよね。家の買い時を決める要素というのは、「物件価格」「金利」「税制優遇」主にこの3つが今買い時かどうかというのを決めるポイントになります。

3つのポイント!「物件価格」「金利」「税制優遇」

「物件価格」でいいますと今新型コロナウイルスの蔓延であるとか、ウクライナやロシアの問題がありますよね。その関係でウッドショック、オイルショックそれからアイアンショックというトリプルショック状態の為に物件価格も値上がりしています。

例えば、建築資材を輸入して建てようとしてもロシアの木材が入ってこない状況です。それからオイルショックで燃料費も上がっています。さらにアイアンショックっていうのはあまり聞いたことないかもしれませんが、例えばアルミニウム産出のメインの国であるギニアでの政変によりアルミの輸入が減ったり、ロシアの軍事侵攻の影響からパラジウムが手に入らないことで半導体が不足して給湯器が入荷されないといった話を聞いたことはありませんか?

エアコンとか給湯器、そういうものは今、滞っています。品薄なので割高になっている状態なんですね。アルミサッシも高い。それからトイレだとかシステムキッチン、ユニットなども全部値上がりしています。フローリングも値上がりしていますので、そういった影響で物件価格は割高になっています。

「金利」はというと、なんか最近ちょっと雲行きが怪しいニュースが出ています。
「税制優遇」はというと、印紙税とか不動産取得税、それから固定資産税などの様々な税制優遇があるので今までで一番良い状態ですが、住宅ローン減税はちょっと心配な状況になっているのをご存じでしょうか。

今までのように家を買ったら必ず受けられるという状態じゃなくて、しっかり知っておかないと、この税制優遇の住宅ローン減税が受けるのが難しいかもしれないという局面になっています。その辺の注意が必要になっています。

(笹川)土地は値上がりしているし、家を建てる資材も高い、半導体も不足して住宅設備面でも品物不足…。家を建てるハードルが高くなっているんですね。一方で実は今のタイミングだからこそ何かいいこともあるんじゃないかと。その辺の現状も踏まえて知りたいのですが、今現在は目立った変化みたいなものってあるのでしょうか。

(竹下)まず「物件価格」ですが、都内の新築マンション価格は平均で1億円ぐらいは超えてきているという状況になります。場合によっては、3億円の物件もできるほど、本当に物件価格上がってんですね。

住宅ローン金利の動きは予測が難しい】

一方で住宅ローンはというと、下のグラフでオレンジの線を見てください。これは変動金利のローンです。バブルの頃1990年代は8.5%の時代もあり、それがどんどん下がってきました。リーマンショックの頃に政府がゼロ金利政策というのを展開したので、横ばいが続き、今2.475%というのが変動金利の水準です。このように、金利が下がってきている傾向があるという理由で変動金利を選ばれる方が多いですね。

(笹川)さかのぼれば金利8%代の時代もあったんですね!

(竹下)これだけ金利が変わってくると、今後は上がってくるのではないかと心配になるかと思います。変動金利は動向に注意が必要になります。

これからどのように推移していくのか見通しは立たないのですが、ちょうど日銀総裁が植田氏に代わられて、緩和政策を変えるという話が出た時に早速金利が上がりました。

メガバンク3行ともジワリと上がっている状況です。この数値だけを見るとそんなに上がった感じはないと思うかもしれません。とはいえ、こういう形でじわじわって上がっていくと、かなり大きい金額を借りることになっていきます。いつかは今の固定金利の水準ぐらいまで上がるのではなかと心配される方が多いと思われます。

(笹川)情勢を見抜くっていうのは一番難しいですよね。この先何があるか分からないから予測することは難しいでしょうね。

(竹下)過去にも金利が何度か上がりかけたことがあるんですよ。変動金利はずっとまったりだなと思ってらっしゃるかもしれませんが、リーマンショックの直前や東日本大震災の直前も上がりかけたりしたことがあったので、あの時の状況をしっかりで見ていただけたらと思います。

(笹川)これまでの常識が通用しなくなることを考えて、シビアに見ていった方がよさそうですね。

(竹下)そうですね。ローンの種類などしっかりぜひ見ていただきたいと思います。

住宅ローンの種類「変動金利」と「固定金利」】

(笹川)改めて、住宅ローンは大きく二つあるわけですが、固定金利を選んだ方が得なのか変動金利を選んだほうがお得なのか気になります。その時の政府の判断にもよるとは思いますが、それぞれのメリットデメリットはあるのでしょうか?

(竹下)あります。まず仕組みとしては大きく分ければ、変動金利と固定金利のタイプです。固定金利は、ずばり借りた瞬間、毎月いくら払ってトータルでいくらを返すかというのが確定するものです。

一方で、変動金利は借りた後、返済額が変わるかもしれないし、総返済額も変わるかもしれない。だから、完済して初めていくら返したかがわかるローンになります。

「変動」「固定」のメリット、デメリット】

次の表にそれぞれのメリットデメリットをまとめました。

変動金利型は金利情勢の変化に伴って返済途中で借入金利が変動する。大体1年に2回金利の見直しがあります。それから5年間で1回、毎月返済額の変化があります。

その次の5年で、もし金利が上昇したら前の5年間の1.25倍までという上限の範囲で上がるので、そんなに心配しなくてもいいんじゃないかと思う方がいるかもしれません。

ただ、もし上がり続けていったらどうなるか。

ひたすら上がり続けていくと、最初10万円の毎月返済額が次は12万5千円。さらに上がり続けていくと15万6千円。その後、19万5千円…となります。

(笹川)先ほどのお話があったよういに金利8%台から一気に下がったことを考えると、逆に一気に上がっていく可能性があるかもしれませんね。

(竹下)それを考えると、毎月の返済額が変わらない方がいい。ずっと上がるかは決まってないけども、もしも上がり続けたらそういう仕組みになっているっていう点はやっぱり理解しておきたいところなんです。変動金利のメリットは、今は固定金利タイプより断然安いことです。金融機関によっては0.5%を切るようなところもあるんですね。

こちらの固定型の方は1.8%くらいのところもありますが、固定と比べると変動金利はとにかく安い。でも、デメリットとしては借入後に金利が変わると返済額が増加するリスクがあるわけです。

(笹川)安定を取るのか、それとも、一か八かほどではないにしろ情勢に任せるのか、どちらを選ぶということですね。

(竹下)悩ましいところですよね。固定金利は借入時に借入で全体の返済額が確定するので、家計管理しやすいってメリットがありますが、変動金利よりは金利が高いというところがデメリットになりますね。

(笹川)ローンには大きく二つあるって話でしたが、その間に別の種類のローンがもう一つあるのですか?

(竹下)はい。固定金利期間選択型というもので、ハイブリット型と言えばよいでしょうか。固定と変動の両方の良いところを合わせたようなものです。先行きが不透明だからとりあえず5年あるいは10年間は固定金利にしたい、その後は変動金利にしたいといったようなローンですね。

だから5年とか10年固定した後、変動にするか、それとも今度は違う期間で一定期間固定にするという形になるので、変動金利と固定金利の真ん中くらいの金利水準になります。こちらのローンを選択する方は結構多いです。

(笹川)どこの銀行でもあるローンですか?

(竹下)基本的にはありますね。

(笹川)固定か変動、どちらかで悩んだら真ん中をとってこのハイブリット型にされる方がいらっしゃると。

(竹下)はい。ただ、ハイブリット型(固定金利期間選択型)の方は変動金利のように金利の上がり幅の上限が1.25倍までというキャップ(上限)がないんですよ。だから下手すると次に金利が2倍になるということもあり得ます。

(笹川)余計悩んできました。

(竹下)悩ましいですよね。そこでどっちを選べばいいかというのをまとめてみました。

自分に合った金利タイプは?】

青色に該当する方は、変動金利が良いのではないかというタイプです。例えば返済額が増えてもしっかり返していけるよ、貯蓄があるよというようなご家庭だったら、変動金利をお得に使いこなせると思います。それから、借入額が少なければ金利が変わっても、そんな影響は受けないですね。返済期間も短いタイプで借りてらっしゃれば、そんなに影響は受けません。そういった方は変動金利の方が向いてるかもしれません。

一方、黄色のところに当てはまる方ですね。返済額が増えると家計が苦しくなる、教育費にしわ寄せが来るかもしれない、といった不安があって今のうちに返済額をしっかり確定しておきたいという方は固定金利が安心だと思います。

ざっくり言えば預貯金がたっぷりある方は、変動金利で問題ないと思います。逆に頭金を払ってしまって家計が苦しい、子供の教育費もかかるし、親の介護でもお金がかかるかも、というような出費が控えているご家庭や、職場の収入が増えそうにないという方は、固定金利の方が気持ちは安心するかと思われます。

緑色のタイプなんですけれども、先ほどの固定期間選択型で迷うという方は、ミックスプランというのも一つの方法です。これは変動金利と固定金利を例えば半々とか3分の1と3分の2で組み合せて借り入れるプランです。

例えば奥様とご主人様でそれぞれ借りる、おひとりだったら変動金利で半分、固定金利で半分で借りておいて、もし変動金利上がってきたら、早めに変動の返済を繰り上げて、車の売却などで返すとか、そういうことができるので、ぜひ金融機関に相談していただけたらと思います。

(笹川)今の説明で、ざっくりと自分はこっちの方が向いているかもというのが見えてくるかもしれないですね。とはいえ、家を購入する際に、家の設計や設備などに目が向いてしまいがちですけど、ローンのことも検討しておくことで後悔しなくて済みそうですね。

住宅購入は、まずローンを決めてから】

次に住宅購入の流れをご紹介しますね。

まずモデルルームや住宅展示場に行って家の話を聞いて、「これいいな」ってその気になって、じゃあ申し込みのお金を入れてください、じゃあ次は諸費用のお金入れてくださいっていう形で、流れに従って話を進めてしまい、契約の最後の最後に住宅ローンを決めることになる場合が多いんですけども、それはオススメできないですね。

例えば、皆さんの希望を叶えるためにオプションはこれぐらいつけますとか、こういう質のいいものをつけましょうと言われて住宅の金額が決まり、その金額を銀行さんが貸してくれるからこのプランに決定しようとすると借りすぎてしまうことが多く、家計が厳しくなってしまいます。

ローンは一番最初の段階で決めるのがおすすめなんです。

家の購入を検討し始めた時に、住宅ローンのこともしっかり調べていただいて、我が家はいくらなら返していけるのかという予算をまず決めていただいて、それからモデルルームなり、住宅展示場に行っていただく。ちょっと予算オーバーかなって思ったらオプションを減らしたり設計を変えたり、そういう攻めの姿勢で臨んでほしいんですね。

営業マンやプランに惑わされないことが大切!】

受け身でいると、あれこれとオプションを勧められて、銀行さんが貸してくれますよという購入のパターンは後悔する方多いです。夢のマイホームが悪夢のマイホームになるのはこのパターンですね。

(笹川)悪夢のマイホーム!怖い言葉ですね。

(竹下)すでに借りてしまって、実際に返済が始まってから苦しくなったという人は、「住宅展示場の方がいい人だった」「モデルルームの方がいい人だった」「自分たちの希望を叶えてくれる良いプランにしてくれた」とか「銀行さんもそれで貸してくれた」という流れで買われた方が大半です。後々、「ああもうちょっとしっかり考えておけばよかった」と思うのが住宅ローンなんです。

是非、この流れを一通り見ていただいて、早めに住宅ローンのことは調べていただけたらと思います。

(笹川)ありがとうございます。他にも住宅ローンを選ぶ際に何か知っておいた方がいいことがあれば教えていただけますか。

【住宅ローン減税の注意点】

(竹下)はい。皆さん、住宅ローン減税に興味があるかと思います。ただ、最初にお話ししましたが、ちょっと注意が必要です。実は2021年に住宅ローン減税をやめる話が政府からでたのをご覚えていらっしゃるでしょうか。政府としてはこんな税制優遇をしていたら税制的に困るからやめますと言っていたのですが、現在4年間特別延長している時なんです。

上図の従来の家、つまり普通の家を買いたいと思っている人が、もしかしたら住宅ローン減税を来年から受けられないかもしれないという状況なんです。

上の表の入居年のところですが、今は左から2つ目の2023年です。そのとなりの24年以降を見てください。一番上の太陽光パネル付き省エネ住宅であれば4,500万までローン控除の対象、ZEHの住宅であれば控除の水準が3,500万円。

特に注目していただきたいのが、今の水準でグレードが高い省エネ住宅レベルの控除額です。現状高水準の住宅レベルで3,000万円、そして普通の家だと控除額0円なんです。

(笹川)従来の家を建てる場合、2023年までは控除額が3,000万円なのに、2024年から0円になってしまうんですね。

(竹下)そうなんです。来年からはもう住宅ローン減税は普通の家では受けられなくなってしまいます。このようにもう3年前から決定しています。私たちが見落としているとまずいとこなんですね。

最低でもグレードが高い省エネ住宅じゃないと政府は住宅ローン減税をしない方針ということなんです。

なぜか。カーボンニュートラルとも聞いたことはありますよね。地球温暖化が原因で自然災害が非常に多いので、炭素とかCO2が増えるようものはやめていきましょうという方針を政府が打ち出していて、実は住宅購入でもカーボンニュートラルを目指すという方針も入っています。

化石燃料で電力を使うような家(従来の家)は住宅ローン控除の対象外で、エネルギーを節約できるような住宅なら住宅ローン控除の対象にしますと方針が明確に出ています。太陽光パネルで自前で電気を作り出せる住宅や、ZEH(ゼッチ)住宅(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)に関しては控除対象です。
例えば、断熱材を手厚くして太陽光パネルなどで発電して、一方で家の中で使う電力を減らすというように、使う電力と発電する電力を合わせて電力量をかなり抑えられるような住宅なら住宅ローン控除続けますよという状態です。

(笹川)明白にもう明確に方針が出ているんですね。

省エネ住宅にした場合、どれくらい光熱費が節約できるのか?】

(竹下)実際に、それぞれの省エネ住宅でどれぐらいのエネルギー量を節約できるか確認してみましょう。

例えば左側北海道札幌市で今の省エネ住宅だったら年間34万円くらいかかるエネルギーが、ZEHだったら25万円、太陽光パネルを入れたら16万円くらいで済むんですね。明らかにエネルギー消費量が下がるというデータが出ています。

家を買う際に住宅ローン減税を受けるためには、この省エネ住宅は絶対外せない要素なんです。

(笹川)つまり省エネ住宅ではない家を今から建てるのは逆に難しいということですね。

(竹下)そうですね。国が「新しく建てるなら省エネ住宅」という方針を出してますから、私達もそこを理解していないと予算がオーバーになってしまうので、資金計画がとても大事になってくるということなんです。

(笹川)でも省エネ住宅で住宅ローン減税を受けられても、太陽光パネルを設置するとなると、その分の費用が別にかかるわけですよね。

(竹下)はい。なので、メリットデメリットをしっかり把握して選んでいく必要がありますね。

(笹川)国の方針や金融の動向が大きく関わってくるとなると、自分で勉強する必要がありそうですね。自分の損得に関わってくるわけですから。

(竹下)はい。現在、「省エネ」は政府として推している大事なポイントであることをぜひ覚えて帰っていただけたらと思います。

住宅金融支援機構「省エネ住宅用ローン」の記事はこちら

【税制優遇について】

次に長期優良住宅や省エネ住宅などに対しての税制優遇などのメリットも紹介します。

長期優良住宅であれば、いろいろな税制上のメリットがあります。表にいくつか例を挙げましたが、登録免許税、不動産取得税、固定資産税のいずれも優遇されます。地震保険料も安くなります。補助金も使えます。
ZEH住宅も右の表にありますとおり、税の特例措置や、補助金の利用が可能です。
住宅購入の際には、こういったお得になる制度をうまく活用していただきたいと思います。

住宅ローンの借りてもよい目安】

(笹川)この後は、実例についてお話しを伺いたいと思います。

(竹下)まず皆さんがどれくらいの金額まで住宅ローンを組んでも大丈夫かという目安の話をさせていただきます。目安となるのは年収負担率です。これは、年収に対する住宅ローンの年間返済額の占める割合のことです。

銀行は、年収負担率35%の水準まで貸してくれます。
思った以上に貸してくださるんですが、借りたあと、私どもファイナンシャルプランナーの事務所に返済が厳しいですという相談があります。

実際の借り入れの健全ラインは、年収負担率20%とか25%なんです。

分かりやすく説明するために、年収1,000万円の場合で説明します。
年収1,000万円 住宅負担率20%、金額にすると200万円ですね。それを12カ月で割ったら、16万7千円くらい。これは普通のご家庭の今の家賃水準に近い数値です。家にこだわるという方でも大体25%、年収1,000万円のご家庭だったら、年間250万円程度、月あたり20万円くらいの家賃というのが標準でしょうか。
これが、年収1,000万円のご家庭の借り入れ健全ラインです。年収500万円の方だったら、それを半分にして考えてみてくださいね。

では、金融機関で貸してくれる額はどうか。銀行は、年収1,000万円のご家庭には年間350万円まで、月あたりで割ると29万2千円まで貸してくれるんですよ。

私の温度感としては、年収負担率30%から35%というのは、手取りの大体40%ぐらいになります。社会保険料とか所得税住民税引いて実際に使えるお金が手取りです。つまり概ね40%を占める額で住宅ローンを組んだことになります。そういった方は遅かれ早かれ行き詰まることが多いんです。

(笹川)社会人になって一人暮らしを始めようとした時に、家賃は手取りの3分の1までに抑えた方が良いって何かに書いてあった記憶がありますが、あれはあながち間違ってないんですね。

(竹内)そうですね。大体手取りの3分の1というと、これでいけば年収負担率20%か25%ラインぐらいになります。住宅購入前後で生活の水準を変えないということであれば、住宅ローンは少なくとも前の家賃より少ない額で抑えた方がいいですね。ついつい買えてしまうから買ってしまうんですけども、後で行き詰まる。私たちはキャッシュフロー表というのを使って家計のシミュレーションをするのですが、それを見ると買った当初は返せる。けれど、お子さんがいるご家庭の多くは、教育費のピークで赤字にずどんと落ち込んでしまいます。

奨学金を借りたりしてその時はうまく回避できたとしても、老後で赤字が出てしまうんですね。住宅ローンで借りすぎたツケが老後にいってしまうということになってしまします。

(笹川)サラリーマンだと、日本の今のシステムであれば年次が上がっていくと、年収が上がるというパターンを想定される方も多いと思いますが…。

(竹下)ただ、最近はこの後(子育てが一段落した後)の収入に2~3回ほど谷があり、50代までは上がっていくんでが、50代半ばで役職定年あったり、60歳で雇用延長となったら、それまでより収入が下がります。年金生活に入るとさらに下がる。高齢になってから若い頃と同じ住宅ローンを抱えている状態だと家計がきつくなってきますので、借りた後にメンテナンスが必要になります。

(笹川)教育費のピークで住宅ローンの返済に行き詰まるという話でしたが、教育費は学費だけでなく習い事や塾代なども含めると大きな出費ですよね。ましてやお子さんを私立に行かせる可能性が高い場合はさらに家計の負担になりそうですね。

(竹下)そうですね。子育てでかかるお金はきちんと考慮して住宅ローンを組まないといけないと思います。
首都圏にお住いの方は私立の一貫校に行くご家庭も多いんです。そうすると公立と比べて1,000万円ぐらい学費が違ってきます。補助金などもうまく利用していかないとオーバフローしてしまいます。

教育費のピークが来ても赤字にならないラインは住宅負担率25%ぐらいなんです。ぎりぎり踏ん張れる。教育費以外にも家を購入すれば維持費がかかってきます。例えばマンションを買われる方は管理費や修繕積立金、固定資産税、それから修繕費がかかってきます。住宅購入は賃貸のときよりもお金がかかるんです。

ボーナス返済は要注意!】

ボーナス返済には気を付けてほしいです。返済額が思ったより高くなったなと思った時に、皆さんボーナス返済を入れてしまうと思うんです。

そうするとボーナスのゆとりがあるから大丈夫かなと思うんですが、やっぱりその分の生活をじわりと圧迫してきます。

ボーナスも含めて年間の返済額を全部で出して年収負担率で把握すれば20%とか25%だったら大丈夫だと思うのでボーナス返済を利用する方は注意してください。

成功事例と失敗事例】

(竹下)ここからは、実際にローンを組んだご家庭の例を二つご紹介したいと思います。

事例①《年収800万のご家庭の例》

ご夫婦とも30代半ばの4人家族。子供が二人。手取り32万でボーナスで180万円。

賃貸の時の家賃は大体9万円くらいって管理費もかかっていて、あと駐車場代がかかるので11万5000円くらい住居費が年間でかかってたという方ですね。

子供がいるので賃貸の物件が手狭になって70平米のお家を購入し、12万円で住居費を抑えているという家庭です。この方は毎月返済額10万円くらいで抑えていて、管理費、修繕積立金で2万円かかっていて、賃貸の時より5,000円ほどアップしてけれど何とかなっているご家庭です。

買い方としては真ん中のとこですね。3,800万円借りて頭金は400万円です。キャッシュとしては400万円の頭金と210万円の諸費用合わせて610万円を最初に払っているんですね。だから手元に例えば1,000万円の貯蓄のあるからといって、1,000万円を頭金に入れられるわけではなく、住宅購入ならではの諸費用というのがかかるというのを覚えておいてください。。

(笹川)諸費用というのは何ですか?

(竹下)その名の通り諸々の費用ですね。例えば自宅の登記をするには費用かかるんですよ。そういった書類作成をしてくれる司法書士さんに払うお金もかかります。

住宅ローンを組むときにはローンの契約書を結んだり、保険に入ったり、それからちゃんと返済できなかった時に代わりに金融機関に返済してもらう保証会社の利用とか…いろいろ合わせると、新築マンションで大体物件価格の5%ぐらいの諸費用がかかります。中古物件だったら8%ぐらい必要になりますかね。

(笹川)諸費用5%って結構かかりますね。

(竹内)だから数百万単位で必要になるんですね。それから何かあった時に手元に残しておくお金が必要になります。例えば生活費の半年分ぐらいの20万円で暮らしてるって方だったら、少なくとも120万くらいは手元に置いておかないと、子供が急に塾行きたいって言い出したりとか、親が急に介護の必要性が出てきたとか、そういった急な出費に対応できなくなります。

このご家庭の場合、子供の性別が違うからもうひと部屋ほしいということで、家賃並みで購入できると思っていたら、管理費、修繕積立金がかかってしまい、気がつけば5,000円アップしていたという状態なんですけども、現在の住まいから近い物件に引っ越せたこと、それから使用頻度などを吟味した上で車を手放すことで、家計としては上手に着地できたと思います。

(笹川)さきほど先生がおっしゃったように、いろんな法則がある中で、それまでの賃貸住まいの時の予算と、住宅購入後の予算があんまり変わらないわけですね。

(竹下)そうなんですよ。こういう感じだったらいいんですけども…。もう一つ事例を見てください。

事例②《年収1,200万円のご家庭の例》

40代のご夫婦でお子様が1人。ご主人900万円、奥様300万円の収入

世帯年収が高く、子供の教育費も一人分なので少なくて済みそうですよね。ところが、賃貸の時の住居費が最初12万円(家賃115,000円、管理費5,000円)でした。でも住宅を購入した後17万円に膨らんでしまったっていうケースなんです。

購入した家の広さは60平米からなんと115平米!駅近の物件で、3LDKプラスS。ローン4,500万円、頭金1,000万円を入れてます。職場にアクセスが良い物件でしたが、テレワークが増えた関係で書斎が欲しいということで部屋数が多い物件に決めました。また、奥様が仕事を辞める可能性もあるからと夫単独で住宅ローンを組むことに。

ご主人の収入で購入できる物件ということで住宅ローンを組んだら月17万円にってしまったんですね。

(笹川)5万円アップ!

(竹下)そうです。賃貸の時に比べて5万円もアップです。買う時は5万円くらい簡単に返せそうな気がするんです。でも実際は自分の小遣い1万円増やすのも大変ですよね。月5万円あれば、旅行にも行けると思うんですけども、買った後で5万円足りないってことになると想像以上に大変なんです。

だから、注意してほしいんです。金融機関は、あなたの年収なら買えますよ、ご主人の年収ならこの金額の物件が買えます、だから4,500万円お貸しできますというようなことを平気で言われたりしますが、そのまま買うと大変なことになるんです。

このことを皆さんに絶対にお伝えしたくて、今日ここに来たような感じです。

住宅を買おうと思ったら、モデルルームや住宅展示場へ行く前に、まずご自身の家賃を調べて、その上で返せる額はどこまでなのかというのを調べてほしいと思います。

(笹川)家を買うとなると夢が膨らんで良い条件の物件に住みたくなってしまいますが、その前に一度、住宅ローンのシミュレーションをするのは本当に大事ですね。

(竹下)ぜひ夢のマイホームを手に入れてください。

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