エントランス・出入口の止水対策
オフィス・マンション・店舗・施設などのエントランスや出入口は、人の出入りが多く、日常の通行を確保しながら浸水対策を行う必要があります。
開口幅や想定される浸水高さ、求める止水性能、平常時の通行や災害時の運用方法などによって、検討できる止水対策は異なります。

エントランス・出入口は、日常の通行と浸水対策の両立が重要です
エントランスや出入口は、人の出入りが多く、日常的に利用する場所です。そのため、浸水時の止水性能だけでなく、平常時の通行を妨げないか、災害時に無理なく設置できるかも重要です。
また、扉の形状や床面の段差・勾配、壁・柱の位置などによって、設置できる方式が変わる場合があります。
日常の通行を妨げにくいこと
エントランスや出入口は日常的に人が通るため、平常時の通行を妨げにくい方式かどうかを確認することが重要です。
災害時に設置しやすいこと
豪雨時に誰が、何人で、どの程度の時間で設置できるかを確認します。保管場所から設置場所までの運搬方法も重要です。
床・扉まわりの条件に合うこと
床面の段差や凹凸、扉の開閉方向、壁・柱の位置などによって、適した止水方式や必要な施工が異なります。
エントランス・出入口で検討できる4つの止水対策
エントランスや出入口では、止水性能だけでなく、日常の通行や扉の開閉、緊急時の設置しやすさも重要です。開口幅や想定される浸水高さ、求める止水性能、床・壁の状態、運用方法などによって、検討できる方式は異なります。
脱着式
◎ 検討しやすい
必要なときに止水パネルを取り付ける方式です。使用しないときは取り外せるため、平常時の通行を確保しやすく、エントランスや出入口でも検討しやすい方式です。設置時にはパネルの運搬や取付けが必要です。
常設式
○ 条件により検討
止水設備を開口部周辺に常設し、必要なときに起こす・閉じるなどして使用する方式です。緊急時に素早く対応しやすい一方、日常の通行や扉の開閉を妨げない設置方法、設備を納めるスペースなどの確認が必要です。
自立式
○ 条件により検討
壁や支柱への固定を基本的に必要とせず、床面に設置して使用する方式です。建物への工事を抑えやすい一方、床面の段差や凹凸、壁との取り合いなどによって適否が変わります。
簡易固定式
◎ 検討しやすい
マグネットや突っ張りなどを利用し、壁・枠などに簡易的に固定して使用する方式です。比較的短時間で設置できる製品もあり、エントランスや出入口でも検討しやすい一方、扉や枠の材質・形状、開口幅などによって設置可否が異なります。
※適性は設置場所に対する一般的な傾向です。実際に設置できる方式は、開口幅、床面の状態、想定浸水高さ、求める止水性能などによって異なります。
エントランス・出入口の止水対策を比較
エントランスや出入口では、止水性能に加えて、日常の通行、扉・枠の形状、設置にかかる時間や工事の有無なども重要な選定条件です。各方式の一般的な特徴を比較しながら、候補となる止水対策を検討します。
| 比較項目 | 脱着式 | 常設式 | 自立式 | 簡易固定式 |
| 使い方 | 必要時にパネルやシートなどの止水部材を取り付ける | 常設した設備を起こす・閉じる・スライドさせるなどして使用 | 本体を床面に設置して使用 | マグネット・突っ張りなどで壁・枠に簡易固定して使用 |
| 対応する浸水高さ | 低〜高水位まで幅広い。製品によって異なる | 中〜高水位にも対応しやすい。製品によって異なる | 低〜中水位向けが中心。製品によって異なる | 比較的低〜中水位向けが多い。製品や固定条件によって異なる |
| 止水性能の傾向 | 高い止水性能を持つ製品も多い。製品・設置条件によって異なる | 高い止水性能を求める用途にも対応しやすい。製品仕様による | 製品による差が大きく、床面などの状態にも左右される | 製品や固定方法による差が大きく、求める止水性能に合うか確認が必要 |
| 平常時の通行 | 使用しないときは取り外せるため、通行を確保しやすい | 設備の納まりによっては平常時の通行への影響を抑えやすい | 使用しないときは撤去できる | 使用時のみ設置する製品が多く、平常時の通行を確保しやすい |
| 事前工事 | 支柱・レール等の施工が必要な製品がある一方、工事不要型もある | 設備を常設するため、設置工事が必要な製品が多い | 工事不要で設置できる製品もある | 工事不要または軽微な施工で設置できる製品もある |
| 災害時の運用 | 保管場所から部材を運び、所定の位置へ取り付ける | 常設された設備を操作して止水状態にする | 本体を所定の位置へ運び、設置する | 所定の位置に固定して設置する。比較的短時間で設置できる製品もある |
| 保管 | パネル・支柱等の保管が必要な製品が多い | 別途保管を必要としない製品が多い | 本体の保管場所が必要な製品が多い | 本体・部材の保管が必要な製品が多い |
| 主な確認点 | 部材の重量・枚数・設置人数・保管場所 | 設置スペース・施工条件・日常動線・維持管理 | 床面の状態・段差や凹凸・壁との取り合い・設置スペース | 扉・枠・壁の材質・固定できる位置・開口幅・床面の状態 |
※上表は各方式の一般的な傾向です。同じ方式でも、対応する浸水高さ、止水性能、設置方法などは製品や設置条件によって異なります。実際の選定では、開口部や床・扉まわりの条件と個別の製品仕様をあわせて確認する必要があります。
エントランス・出入口の止水対策を選ぶときのポイント
エントランスや出入口では、止水性能だけでなく、日常の通行や扉の開閉、緊急時の設置しやすさも重要です。想定される浸水高さや設置場所の状態、災害時の運用方法などを総合的に確認して候補となる止水対策を検討します。
開口部の幅・形状
エントランスや出入口では、開口部の幅だけでなく、扉の形状や開き方、枠の位置なども確認します。製品によって対応できる開口幅や設置方法が異なります。
想定される浸水高さ
ハザードマップや過去の浸水状況、周辺の地形や道路との高低差などを参考に、設置位置でどの程度の高さまで水が来る可能性があるかを確認します。
求める止水性能
同じ浸水高さに対応する製品でも、水の侵入をどの程度抑えられるかは異なります。できるだけ侵入を抑えたいのか、多少の漏水は許容できるのかも重要な選定条件です。
平常時の通行と災害時の運用
人の出入りが多い場所では、平常時の通行を妨げないことに加え、豪雨時に誰が、何人で、どの程度の時間で設置できるかを確認します。
床・扉・壁まわりの状態
床面の段差や凹凸、扉・枠の材質、壁や柱の位置などによって、設置できる方式や必要な施工が変わる場合があります。
エントランス・出入口の止水対策にかかる費用
エントランス・出入口の止水対策は、開口部の幅や止水する高さ、選ぶ方式、扉や床まわりの状況などによって費用が変わります。製品価格だけでなく、固定金具の設置や下地処理など、必要な施工内容も含めて確認することが重要です。
開口幅・止水する高さ
開口幅が広く、必要な止水高さが高くなるほど、必要な部材や設備の規模が大きくなり、費用も上がる傾向があります。
止水方式・施工内容
脱着式、常設式、自立式、簡易固定式など、選ぶ方式によって製品価格や固定方法、必要な施工内容が異なります。
扉・床まわりの設置条件
扉や枠の形状、床面の段差・凹凸、壁や柱の位置などによって、下地処理や追加施工が必要になる場合があります。
費用の目安
比較的幅の小さい出入口では、数十万円規模から検討できる場合があります。一方、開口幅が広い場合や、設備仕様・施工内容が大きくなる場合、常設設備を導入する場合などは、100万円を超えるケースもあります。
現地調査前の段階では概算をご案内し、正式な見積金額は、現地調査で設置条件を確認したうえで決まります。
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