「マンション防災サービス」~中央電力株式会社

マンションごとに防災対策!太陽光パネルと蓄電池を無償設置の「マンション防災サービス」~中央電力株式会社

本展示会のメイン商材は「マンション防災サービス」です。具体的にはマンションを中心に、屋上に太陽光パネル、それから敷地内に蓄電池を無償で設置させていただくというもので、災害対策防災設備のサービスになります。例えば、長期間の停電が起こった際に、蓄電池を使ってマンションの共用部分のエレベーターを稼働させる、ポンプを動かして水を供給することなどが可能です。
2023 年 4 月から提供を開始したばかりのサービスで、分譲マンションへの提案をメインに、賃貸マンションや社員寮、老人介護施設など、いわゆる集合住宅に提供できればと考えています。

【企業・製品】

会 社 名中央電力株式会社 
名   称マンション防災サービス             
企業サイトURLhttps://denryoku.co.jp/


サービス提供のきっかけは、災害時の在宅避難に関するお問い合わせ

近年、多数の災害がありました。2018年には台風でフェリーが関西空港の橋に衝突したりですとか、その翌年にも台風の被害により千葉県でゴルフ練習場の柱が倒れたこともありました。さらにその翌月には武蔵小杉のタワーマンションが冠水する被害がありましたよね。それらの災害が続いた辺りから「万が一停電が起こった時に自宅で電気を使えるようにしたい」といったお問い合わせが増えました。災害時に避難所に行くと、人が殺到してしまってなかなか眠れない、トイレが使いにくいというような問題があるので、それなら堅牢な作りの住み慣れた自宅マンションで在宅避難を考えようと。

一方で、在宅避難もデメリットもあります。一般のご家庭で災害用に食料や水を備蓄しているとは思いますが、それ以外にマンションが保管している備蓄品を取りに行くケースなども出てきますよね。そうなるとタワーマンションの高層階に住まわれている方々は階段で何十階も下りて、マンションからの備蓄品を持ってまた階段を上がることになるので非常に大変なわけです。

このような問題を解決するためにマンションに太陽光パネルの設置を提案していこうと考えました。費用の捻出が難しいマンションでも活用できるように、弊社では「無償」で設置できるサービスを提案しています。つまり、マンションが積み立ててきた予算を崩すことなくサービスが導入できるという点が大きなメリットになります。


防災対策だけでなく環境問題も見据えたサービス

さらに、脱酸素化、いわゆるカーボンニュートラルという観点からも大きなメリットがあります。今回のサービスは、太陽光発電や蓄電池の設置だけでなく、自家発電設備を弊社が管理する仕組みになっていて、マンション一棟分の電力を弊社が送らせていただくことになります。ご家庭ごとに再生エネルギー由来の電源をつけるとなると、一軒一軒手続きが必要になりますが、弊社サービスなら一棟丸々の再生エネルギーマンションが出来上がるんです。つまり、2050年のカーボンニュートラル(温室効果ガス CO2 の排出を全体としてゼロにする取り組み)にも有効です。

また、東京都が打ち出している「カーボンハーフ」(2030年までに温室効果ガス CO2 を 2000年比で半減させること)を推し進めるにあたって、特に推進が難しい民生家庭部門のHTT(電力を「減らす(H)」「創る(T)」「蓄める(T)」の三つで家庭や企業の対策を促すもの)の促進に寄与できることももう一つのメリットです。

一旦は防災でしっかりと安全を提供しながら、将来的には地球全体の環境負荷の低減を実現するサービスとして提供していきたいですね。

太陽光パネルや蓄電池の設置などの初期費用を無料で提供できる仕組みとは

通常、皆さんは、それぞれご家庭用の電気を使っていらっしゃいますが、マンションとして一つにまとめてしまうことで業務用の安い電力を買うことができます。すると、同じ使用料を使っても単価差が発生するので、この単価差の中で、弊社は色々な設備を用意させていただいき、なおかつ会社としても収益化のベースになります。

さらに、マンションに設置した太陽光パネルで発電した電気を、弊社が外部から購入してくる電気に混ぜ込むことで電気料金の原価を抑えています。当然、外部の電気は料金がかかりますが、太陽光からの電気はイニシャルコストの負担はあるにしろ、普段の発電分は料金が発生しないわけです。契約期間 15 年の間にこの仕組みで発生する差額を利用することで、太陽光パネルと蓄電池の設置費用を無償で提供するための費用を捻出することができるんです。

新たな取り組み!専有部と共用部を一括で管理することでできる蓄電池の運用方法

そしてさらにもう一つ、こちらは弊社独自の仕組みなんですが、蓄電池からも設置費用の原資を作っているんです。

一般的な蓄電池は、満タンに電気を貯めておいて、何かがあった時に使うのですが、弊社の場合は毎日稼働させています。実は、毎日稼働というのは普通のマンションではできないんです。というのも、普通のマンションの電気契約は専有部と共有部でわかれています。なので、共有部でこういうことに電気を使いましょうとなっても、昼間はほとんど電気を使わないことが多い。つまり、蓄電池の電気はほとんど使わない状態が続くわけです。

一方、弊社の場合、専有部も共有部も関係なく一棟管理をするので、電気の安い時間帯に電気を購入して蓄電池に貯めて、各家庭で使用する電気も含めて日常的に使用することが可能です。結果的に蓄電池からも収益が得られ、設備の設置費用に充てることができます。専有部も共有部もシームレスに電力管理をする一括受電の仕組みが、太陽光パネルや蓄電池を無償提供できる理由になっています。これは、マンションでは他に類をみない取り組みだと思います。

電気自動車の充電設備も無償で提供

東京都が今後は EV の充電器を義務化していくと言っている一方で、マンションでもなかなか電気自動車が普及していません。その理由はやはり充電器がないからです。そこで、今回このサービスと一緒に電気自動車の充電設備のコンセントを 10 区画分、無償で設置することも提供しています。正直、これは収益というより先行投資ですね。マンションで作り出した再生可能エネルギーを使って、電気自動車の充電も行う、いわゆる 100 パーセントグリーンモビリティーの再生エネルギーで走る電気自動車とし、環境負荷の低減を図ることにもつながります。こういった取り組みによりマンションに優位性を持たせられますし、価値向上にもつながるかもしれません。そういったことも含めてサービスをリリースしています。

※2023年5月現在の、インタビューに基づいた記事です。

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